2018年4月14日土曜日

【第827回】『京洛四季』(東山魁夷、新潮社、1984年)


 京都に引っ越すことが決まってから、改めて京都への興味が増してきた。歴史的な建物や文化に目が向きがちであったが、その風景の美しさに、魁夷の作品を通じて感じ入った。
 本書では、京都の風景を四季に分けて配列している。どの季節にも、違った美しさがあり、日本の四季の素晴らしさに気付かされた。

「東山魁夷 砂紋」の画像検索結果

 庭は生きている。生きているということは絶えず変化していることを意味する。今日、名園として私達の眺めている庭の多くは、作庭当初の経験とはよほど感じが変ったものであろう。(85~86頁)

 自然を私たちの作為によって変えようとするのではなく、自然の有り様と私たちの有り様を調和させようとすること。そのためには、自然な悠久の変化を所与のものとして、その変化を楽しみながら、接することが求められる。

 庭園一つにも、私たち<日本人>の考え方や感じ方が表れているのかもしれない。

【第562回】『名画は語る』(千住博、キノブックス、2015年)

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